総務職へ転職しよう! と決意して、転職活動を始めたものの「総務職への転職は難しいのかな?」と不安になる方もいるでしょう。

特に総務職未経験の方であれば、仕事を経験したことがない分不安も大きくなるでしょう。

総務職への転職を実現させる道のりは決して簡単なことではありません。総務職では営業職やSE職のように積極的に採用を行うことがほとんどないからです。

しかしながら、会社組織の全体に関わる仕事が多い総務職は、他の従業員から感謝される場面が多く、やりがいを感じる部署でもあります。

そのような総務職への転職を成功させるためには、戦略的に転職活動に取り組まなければ実現することは厳しいです。

そこで、ここでは一般的に難しいと言われる総務職への転職を実現するために必要不可欠な5つの知識を解説していきます。

転職活動前に知るべき総務職への転職が難しい2つの理由

これから転職活動を始める前に、「なぜ総務職への転職が難しいのか?」の理由を知っておくことが今後の転職活動を進める上で非常に重要となります。転職が難しい理由を事前に知っておくことで、その後に取るべき対策を具体的に考えることができるからです。

私は過去に大手企業の総務職に在籍していましたが、その経験から総務職への転職が難しい理由は以下の2つであると感じました。

  1. 人気がある職種
  2. 募集人数が少ない

それぞれの理由について、解説していきます。

①人気がある職種

男性、女性に関わらず、総務職はそこまで給料が高くないものの「計画的に仕事ができる」「プライベートが充実する」「営業職のようなノルマを求められない」といったような働きやすいイメージを持っている人がたくさんいます。

このことは、総務職の人気を高め、求人倍率を低くする(採用されにくい)要因となっています。

例えば、厚生労働省の発表では、2018年平均の有効求人倍率が1.61倍となっている一方で、総務職を含む一般事務職の有効求人倍率は0.37倍とかなり低いことが分かります。つまり、求人募集の人数に対する応募人数が非常に多い状態であることを表しています。

実際に総務職の求人募集では、1人の募集に対して何十人、大手企業だと何百人を超えるような応募があったりするのです。

このほか、総務職は女性が活躍できる職場環境であることも人気がある職種の理由として挙げることができます。実際、総務職で働く女性はたとえ結婚や出産をしたとしても、退職せずに職場に復帰する人が非常に多いからです。

例えば、私が勤めていた大手企業の総務職の男女比率は5:5でした。女性を配置する割合が高いことからも分かるとおり、総務職は女性が活躍できる職場環境であるといえます。また、企業によっては女性比率の方が高い企業も存在します。

実際に、私が総務職で働いていた当時に他の部署で働いていた同僚の女性に「異動して総務職で働いてみたい」と言われたことがありました。

このことからも分かるとおり、総務職は女性から人気のある職種と言えるでしょう。

②募集人数が少ない

インターネットに掲載されている総務職の求人票を見ていても、同じ会社から同時期に2名以上の募集が出ることはほとんどありません。

なぜなら、総務職で担当する仕事のほとんどが会社の利益に直結しないため、総務職で働く従業員数が必要最小限の人員配置となっているからです。

そのため、限られた従業員の中から欠員が生じる確率は他の部署と比べて必然的に低くなります。例えば、下記の求人票は東京にある外資系大手企業の総務職の求人募集になります。

このように、一般的に総務職の求人では、欠員補充で1名募集するケースがほとんどです。その他、業績が良い企業などでは、総務部門の組織強化を図るための増員募集があったりします。

また、企業の規模に関わらず、他の部署からの異動により総務職の欠員を補充することがあります。他の部署からの異動によって欠員を補充した場合、その企業にとっては求人を出す経費を抑えることができるメリットがあるからです。

高度な専門的知識が必要となるポジションで欠員が生じた場合は、条件の合う人材を募集することになりますが、そうでない場合は他部署からの異動でポストを埋めることになります。

もし、総務職で欠員が生じた時は、始めに他部署からの異動でポストを埋められるかどうか検討することになります。そして、社内の異動でポストを埋めることが困難であると企業が判断したときに初めて求人募集をかけることになるのです。

以上のことから、総務職のポジションで空きが出る確率は他の部署と比べて低いと理解した上で、転職活動に取り組むようにしましょう。

30代では難しい?総務職の転職を成功させるために必要な対策

これから転職活動を始める方の中で「30代を過ぎると総務職への転職は難しくなるのか?」と、年齢を気にする方もいるかと思います。

結論から言いますと、30代を過ぎると総務職への転職の難易度は上がると考えた方がよいです。30代を過ぎると、ある程度社会人経験があることを見越して、採用する企業側は即戦力となる人材を求めることになるからです。

例えば、下記の求人票は東京にある大手企業の総務職の求人募集になります。

一般的に30代以降になると、このような求人募集が対象となってきます。こちらの求人では、「総務職の業務に精通し、マネージャー経験があること」「会社法に精通していること」に該当する人材が求められていることが分かります。

このことからも分かりますが、総務職の未経験者の方は、30代を過ぎると総務職への転職は非常に難しいと考えた方がよいです。

もし、あなたが総務職の未経験者なのであれば、20代のうちに転職活動に取り組むことをおすすめします。

20代・第二新卒での転職のしやすさはどうか

20代や第二新卒(新卒社会人経験3年目ぐらいまで)の方であれば、総務職が未経験であっても、転職が可能な企業があります。年齢が若ければ若い程1つの企業に染まっておらず、採用する企業にとってはポテンシャルの高い有益な人材を採用できる可能性があるからです。

企業が総務職の未経験者を採用した場合、教育のコストが掛かりますが、時間を掛けて教育することによって将来的に企業の戦力となる人物になる可能性があります。

下記の求人票は東京に本社がある、中小企業の総務職の求人募集になります。

このような求人であれば、たとえ総務職が未経験であったとしても、20代や第二新卒の方であれば面接の内容次第で、将来の可能性を期待して採用されるケースもあるでしょう。

以上のことから、転職活動に取り組み始めた時の年齢によって、企業から求められる能力が変わることを認識しなければいけません。

そして、求人票に記載されている募集要項をしっかりと確認した上で、「転職したい企業が求めている能力は何なのか?」「その能力を自身が備えているのか?」を判断しながら、転職活動に取り組む必要があります。

未経験者が確認しておきたい総務職の難しい仕事内容の全貌

総務職の未経験者である場合、総務ではどういった仕事をしているのか気になる方もいるでしょう。

「他のどこの部署も取り扱わない業務」をこなしているという大まかなイメージを持っている方が多いですが、具体的にどのような仕事をしているか知っている方は少ないです。

そこでここでは、総務職がどんな仕事をしているのかイメージできるように、私が過去に勤めていた大手企業の総務部で扱っていた仕事内容の一例を紹介します。

来客対応・クレーム対応 消耗品管理・発注業務
印刷業務委託管理 備品管理
施設保安管理業務 上級管理職の会議運営準備
防災・防火管理業務 株主総会運営事務
文書管理 社用車管理

上記の業務はあくまでも一例ですが、総務部の仕事内容は会社の規模や経営方針によって内容が違っていたり、総務部以外の専門部署が担っていたりすることもあります。

例えば、多くの従業員数を抱える大手企業であれば、「人事部」という専門の部署が採用業務を担当していたり、給料関係の業務を担当していたりするケースがあります。

一方、中小企業であれば、「総務人事」「総務経理」といったように、1つの部署で複数の業務を兼任するような会社もあります。このような会社の総務部では、採用業務、経理業務、その他の雑務など、1人で複数の業務を担当することになります。

また、総務は経営者の参謀役として役割を果たすため、経営者の指示で突然仕事を振られることがあります。例えば、会社のイベントを企画していて、社長のこだわりで「〇〇を準備したい」と社長が指示を出した場合、その手配や準備を総務部が担うことはよくある話です。

このように、総務職では会社の経営方針で急な対応を迫られることがよくあります。そのため、思い通りに仕事が進まなくても嫌な顔をせず、率先して動くことができるフットワークの軽さが重要となります。

総務職未経験でも、自身から学ぶ姿勢があれば難しい仕事もこなせる

一般的には、転職先で仕事を始める時には前任の担当者から業務の引継ぎがあります。たとえ前任が不在であったとしても、前任からの引継ぎの書類やデータが残っているため、それを参考にしながら仕事を進めていくことになります。

まともな会社であれば、ある程度知識が付くまでは先輩社員や職場周りの社員がフォローしてくれます。私が過去に勤めていた総務部でも、転職で入社してきた後輩社員に対して仕事のフォローを行っていました。

しかし、フォローアップの体制があったとしても、周りを頼りにし過ぎずに自身から学んでいく姿勢が非常に重要となります。仕事を覚えたり、仕事をこなす技術を身に付けたりするスピードに大きく差が出ることになるからです。

特に総務職では、いろいろな仕事をこなしながらも急な上司の命令や対応に追われたりすることが多いため、自身から学ぶ姿勢で仕事をこなしていくことが非常に重要であると言えます。

総務職の難しい仕事をこなすために資格が必要?

「総務職の仕事をこなすためには、資格が必要なのでは?」と疑問に思う方もいるかと思います。結論から言いますと、資格がなくても総務職の仕事は務まります。総務職で担うほとんどの業務は資格を必要としないからです。

例えば、私が過去に勤めていた大手企業の総務部で担当していた業務の中には、組織全体に関わる印刷業務の委託管理や施設保安管理業務がありました。このほかにもたくさん業務をこなしていましたが、資格が必要となる仕事は1つもありませんでした。

例えば、下記の求人票は大阪に本社がある中小企業の総務部の求人募集になります。

このような求人の場合、特に資格を持っていなくても社会人経験が3年以上あれば、総務職が未経験であっても面接次第では転職を実現させることができます。

しかし、中には総務職(企業の規模によっては人事部などが取り扱う)でも資格を必要とする仕事があるのも事実です。

その例として、「社会保険労務士」があります。社会保険労務士の資格保有者が担当する仕事の中には、その資格保有者しか許されていない独占業務(健康保険、雇用保険などの加入・脱退、賃金台帳の作成、就業規則の作成)があります。

例えば、下記の求人票は東京にある中小企業の総務職の求人募集になります。

このように会社によっては、総務職の中でも資格を必要とするポジションがあります。上記の求人票のように、資格が必要となる業務のポジションで欠員が生じた時の求人募集では、その資格保有者が優先される求人もあったりします。

難しい総務職へ転職するために、戦略的な志望動機を作る

転職活動をする上で、志望動機を考えることは避けて通れない道となります。転職先の志望動機を考えることは面倒で、難しい作業だと感じるかもしれません。

しかし、求人募集に対して応募する転職者の志望動機は、採用活動を行う企業側にとって貴重な判断材料となります。「職者のこれまでの仕事に対する考え方や経験を通して学んだこと」「企業にどのように貢献してくれる人材であるのか」が志望動機の中に凝縮されているからです。

求人募集をかけている企業は応募してくる転職希望者がどのような人材なのかを採用面接での会話と志望動機で判断しています。

このことから、志望動機は適当に作るのではなく、転職を希望する企業への貢献度や企業が目指すビジョンとの整合性を確認しながら作り上げることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。

そこでここでは、未経験から総務職へ転職を希望する方の志望動機例として、良い例と悪い例を挙げてみたいと思います。

以下の志望動機例は、悪い例になります。

現在は化粧品メーカーのマーケティングを担当しています。これまで主に新商品開発の担当として、市場の調査や分析を行い、時には他部署の従業員と連携しながら、企業の経済活動に貢献してきました。

総務職は私にとって未経験の分野ですが、これまでにマーケティング職で培ってきた「分析力」と「コミュニケーション力」を活かして貴社(御社)に貢献したいと思っています。

※ 履歴書・職務経歴書では、相手の会社を「貴社」と表記し、面接では「御社」を使う

このような志望動機では、現職で担当している仕事の事実を単に述べているだけに過ぎないため、中身が薄い志望動機となります。そのため、採用担当者に強い印象を与えることができません。

採用担当者に強い印象を与える志望動機を作り上げるためには、仕事の経験を通して、これまでにどういった貢献をしてきて、その経験を元にどのような利益をもたらすことができるのかを具体的に述べることが重要となります。

以下は、上記の悪い志望動機例の土台を変えずに、修正して作り上げた良い例の志望動機となります。

現在は化粧品メーカーのマーケティングを担当しています。これまで主に新商品開発の担当として、市場の調査や分析を徹底して行ってきました。そして、その結果を元に営業の担当者と新商品の価格や販売するエリアの検討、時には広報の担当者と売り上げに効果的な広報活動の方法など他部署の従業員と連携しながら、企業の経済活動に貢献してきました。

また、昨年に発表した新製品の〇〇は、企画から販売まで1年半という長い年月をかけましたが、市場の調査から販売までの工程を粘り強くやり抜いた甲斐もあり、現在もヒット商品として売り上げを伸ばし続けています。

総務職は私にとって未経験の分野ですが、これまでにマーケティング職で培ってきた「分析力」と「コミュニケーション力」は、これから組織の管理部門の強化を図る貴社(御社)において、組織の課題の発見や解決策を提案する力に役立てることができるのではと思い、志望いたしました。

このように同じ人物の志望動機であっても、「どのような仕事に力を入れてきたのか」「仕事の経験を通して何を得たのか」「転職後にどのような貢献ができるのか」を具体的に盛り込むことで、採用担当者も志望動機をイメージしやすくなります。

難しい転職活動を乗り越えるために、目的を明確にする

総務職に限らず、転職が成功するまでは誰もが不安ですし、難しい採用面接をどのように乗り越えるべきか思い悩む人はたくさんいます。

これまでも説明してきましたが、年齢が気になる方、資格が必要なのか気になる方がいます。また、未経験の方であれば、転職して仕事をきっちりこなす事ができるのか心配な方もいるでしょう。

そこで、3社以上の転職エージェントを活用して求人の幅を広げ、サポートを受けながら転職活動を進めるようにしましょう。転職エージェントは転職に関する相談だけでなく、面談に至るまでの手続きなど幅広く対応してくれます。

世の中には「転職して成功するんだ!」という強い志を持って転職活動に取り組み、転職先で活躍する人もいます。転職後も活躍する人に共通する点は、転職の目的が明確になっていることです。

「今の職場の人間関係が嫌だから」「今の職場の年収に不満がある」「もっと働きやすい職場に転職したい」といったような目先だけのことに捉われているような目的では、必ず転職後に苦労することになります。

まずは転職活動を始める前に、「なぜ転職活動をするのか?」その理由を真剣に考えた上で、転職後に実現したいことを具体的に思い描くところから始めてみてください。

事務転職で失敗しない転職サイトの活用法とは

事務転職を考えるとき、多くの人が転職サイトを活用します。ただ事務職は倍率が高く、簡単には転職できません。自力で転職先を探そうとしても、1件1件求人を見極めるには相当の労力を使います。またエントリー書類(履歴書・職務経歴書)の作成や面談対策、転職条件の交渉まで自ら行う必要があります。

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そこで以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの特徴や強みの違いを理解して活用すれば、事務転職の失敗を防ぐことができます。