事務職の中でも人気のある職種の1つに総務職があります。総務職は、組織全体を支える管理部門として企業には欠かすことができない重要な役割を果たす部署です。

「総務は女性が多い職場なのでは?」と思っている方は非常に多いです。特に、男性の方で総務職へ転職を考えている方の中には「男性は総務職の転職に不利なのか?」と気になる方もいるでしょう。

また、仕事後のプライベートの時間を充実させたいと考えている男性は年々増えています。そのため、残業が比較的に多い営業職や技術職として勤めている男性の方で、総務職へ転職を検討する方が増加しています。

しかし、総務職は事務職である以上、デスクワークが中心となるため、転職の際に求められるスキルは営業職や技術職で必要とされるスキルと当然違います。そのため、男性で未経験の方が総務職へ転職を考える場合は、事前に総務職の現状をなるべく理解した上で転職活動に取り組みたいところです。

そこでここでは、男性の方が総務職へ転職する前に確認すべき5つのポイントについて述べていきます。

男性が転職活動を始める前に知っておくべき総務職の現状

総務職は、営業職や技術職とは違いデスクワークが多いため、女性中心の職場というイメージを持っている方が非常に多いです。特に、男性の方であれば「男性が総務職へ転職するのは、女性よりも不利なのか?」と考えてしまいます。

結論から言いますと、男性であるという理由だけで採用選考で不利になることはありません。男性女性関係なく、それぞれの企業にとって有益となる人材や将来的に期待される人材が採用されるからです。

しかし、総務職の求人票の中には女性をターゲットにした求人募集があります。「女性が活躍している職場」「女性でも働きやすい」といったようなキャッチコピーを出している総務職の求人票の場合は、採用のターゲットは女性であるといえます。

例えば、下記の図はマイナビ転職サイトの女性をターゲットにした求人募集のページになります。

上記の転職サイトでは「女性が活躍中の総務の転職・求人情報」と題して、求人情報を掲載しています。このようなサイトに掲載されている求人募集は、男性よりも女性をターゲットにしているといえます。

男女雇用機会均等法により、「男性限定・女性限定」の求人票を企業側が提示することは禁止されていますが、どのような人材を採用するかは企業側が選ぶことができます。

企業の顔として位置付けられる総務職に、少しでも華やかなイメージがある女性を採用したいと考えている企業も少なからずあります。

そのため、求人票上では男性が不利になるような条件が示されていなくても、実際の採用選考では男性でなく、女性が採用されることは十分に考えられます。

男女比率は会社の経営方針によって変わる

総務省統計局が実施した平成27年度国勢調査の結果によると、「事務従事者」に分類される職業の男女比は男性が全体の約4割、女性が約6割を占めています。

上記の結果からも分かりますが、総務職を含めた事務職に従事する男女の割合は、女性の方が男性よりも多いことが判明しています。しかし、実際には総務職の求人募集をかける企業の経営方針や企業を取り巻く環境などによって、その企業の総務職の男女比率が変わります。

例えば、総務職の仕事内容は、基本的なデスクワーク以外にもイベント関連の設営や会場設営などで力仕事を行うことがあります。そのような機会が多い企業の総務職では男性の割合が高い企業もあります。

一方で、取締役の接待客をお出迎えする機会が多かったり、事務作業の割合が多かったりする企業の総務職では女性従業員の割合が高くなることもあります。

参考までですが、私が過去に勤めていた大手企業の総務職ではそれなりに残業が多く、体力が求められる場面も多かったことから男性従業員の割合が少し高く、男女比率は5:5でした。

男性が総務職へ転職するときに求められる人材スキルや資質

たとえ男性の方であったとしても、求人募集をかけるそれぞれの企業の総務職でどのような人材が求められ、どのようなスキルや資質が必要なのか見極めることが重要です。求人募集をかける企業によって経営方針や求める人物像が全く違うからです。

特に未経験者の方である場合は、なおさら総務職について理解を深め、転職活動に取り組む必要があります。

以下では、私が大手企業の総務職で働いた経験から感じた総務職で求められる人材スキルや資質について解説します。

未経験でも応募可能だが、求められる人材スキルは見抜くべき

企業規模や経営方針が違う全国のさまざまな企業が総務職の求人募集を出していますが、求人を募集するすべての企業に通用する万能な人材スキルはありません。上記でも説明したとおり、求人募集をかける企業によって求める人物像が違うからです。

また、中途採用である以上、たとえ総務職であっても基本的には即戦力が求められることになります。

例えば、下記の求人票は東京に本社がある中小企業の求人募集です。

上記の求人票では、「総務職の経験者であること」が応募の必須条件となっています。このような求人募集に総務職未経験者が申込みをしても書類選考が通過しない確率が非常に高いです。

一方で、総務職の求人票の中には即戦力ではなく、将来性を見据えたポテンシャル重視の採用を行う求人募集があります。

例えば、下記の求人票は埼玉県にある東証一部上場メーカーの総務人事の求人募集になります。

上記のように、未経験者であっても応募が可能な求人票もあります。総務職未経験者の方であれば、このような求人票に積極的に応募することで転職実現の可能性を広げることができます。

ただし、未経験者の応募が可能な求人であれば転職しやすいというわけではありません。総務職は人気のある職種であるため、1つの求人募集に対して非常に多くの応募が集まります。

そのため、たとえ未経験者の応募が可能な求人票であったとしても、経験者からの応募があることは想定されます。しかし、未経験者と経験者が採用選考で並んだとしても、ポテンシャル採用を実施している求人であれば、未経験者が採用されることもあります。

求人募集をかけている企業がどのような人材スキルを求めているのか、求人票の内容をよく確認した上で応募するようにしましょう。

資料作成のPC(パソコン)スキルは必須

総務職は事務職である以上、資料を作成する機会が多いです。特にWord、Excel、PowerPointを使いこなせる技術があることに越したことはありません。

特に資格は必要ありませんが、これまで経験してきた業務でPC(パソコン)に触れる機会がほとんどなかった場合は一般的な事務スキルがないため、総務職への転職は厳しくなります。

高度な操作スキルが求められるわけではありませんが、上司から資料の作成をお願いされたときは、大方その上司のイメージどおりに資料を作成しなければいけません。

例えば、以下の資料データは、私が大手企業の総務職で働いていた当時にExcelで作成した資料データの一部になります。

上記の資料データは、社用車をリース契約にするかどうか検討するために作成した資料になります。結果的にリース契約にすることなく自家用車のまま運用することになりしたが、上司が大きな決断をするための判断材料となりました。

私自身は特にPC関連の資格は持っていませんが、上記のような資料データを何回も繰り返し作成することで、自然と作成することができるようになりました。

男性が総務職へ転職する場合のメリット

それでは、男性が総務職へ転職することによるメリットはどのようなものがあるのでしょうか。男性が総務職へ転職することによるメリットは、以下の2点を挙げることができます。

  1. 組織改革の一役を担う
  2. プライベートが充実する

以下、順に解説します。

①組織改革の一役を担う

何度も経験するものではありませんが、企業の組織改革や新たなプロジェクトに取り組む場合、総務職が企業組織全体の取りまとめ役を担うことになります。

例えば、働き方改革による従業員の意識改革を推進するプロジェクトや本社移転作業(ファシリティ関連)などは、総務職が先陣を切って他の部署と協力しながら業務を進めることになります。

このとき、企業内の新たな取り決めやルールについて従業員やプロジェクトに関わる外部業者から要望や意見を聞き入れることになります。そこで、新たな課題が発覚した場合、総務職の従業員は課題解決のために奔走(ほんそう)することになります。

特に大きなプロジェクトは何度も経験することができない貴重な経験となります。そのようなプロジェクトに積極的に関わることで自身のスキルアップを図ることができ、仕事に対してやりがいや達成感を感じることができます。

②プライベートが充実する

総務職は、営業職や専門職など他の職種と比べて比較的に残業時間は少なく、仕事後のプライベートの時間を有意義に過ごすことができます。そのため、個人的な趣味に時間を費やせたり、家庭を持っている方は家族と一緒に過ごせたりする時間を確保しやすくなります。

しかし、転職する企業の経営方針や担当する業務によっては残業で帰りが遅くなることもあります。参考でしかありませんが、私が大手企業の総務職に勤めていた時は、株主総会の準備業務で夜遅いときは22時以降に帰宅することがありました。

転職する企業の経営状況や経営方針に左右されますが、1年を通して残業が少ない企業もあります。もし、残業が気になる場合は転職エージェントに相談し、転職を検討している企業の繁忙期について事前に確認するようにしてください。

年収が低く、仕事内容が単調なのはデメリット

次に、デメリットを解説します。男性が総務職へ転職することによって生じるデメリットは、以下の3点を挙げることができます。

  1. 昇給・昇格のスピードが遅く、高収入を望むことができない
  2. 仕事にやりがいを感じにくい
  3. 女性同士の会話や雰囲気に溶け込むことができない

以下、順に解説します。

①昇給・昇格のスピードが遅く、高収入を望むことができない

総務職はあくまでも事務職であるため、営業職や技術職と比べると平均年収が低くなりがちです。総務職の役割は、企業活動が円滑になるように従業員をサポートすることにあるため、直接利益を生み出す業務はほとんどありません。

そのため、総務職では年功序列型の賃金形態を採用している企業が多く、管理職にならない限り大きな収入アップは見込めません。

参考程度ですが、以下の写真は私が過去に勤めていた大手企業の総務職での年収(源泉徴収票)になります。

この当時の私は27歳でしたが、上記に掲載した写真のとおり年収は450万円程度でした。私が勤めていた大手企業の総務職も年功序列型の賃金形態だったので、大きな収入アップを望むことはできませんでした。

このことから中小企業の総務職であれば、上記の年収よりも低い企業が多いことも考えられます。

また、総務職は一般事務職と同様で、昇給や昇格のスピードが遅い傾向にあります。同じ会社でも管理職候補として採用される総合職の従業員の方が年収は高く、昇給・昇格のスピードも早いのが現状です。

そのため、子どもを持つ家庭の男性や「お金を稼ぎたい!」と考えている男性にとっては物足りない収入となることが考えられます。

②仕事にやりがいを感じにくい

事務の仕事が本当に好きな方は別ですが、総務職の仕事は資料のファイリングや文書作成などデスクワークが主流となります。そのため、地味な作業が多いことを事前に認識しなければいけません。

総務職はルーティンワーク(繰り返し行う業務)が多く売上目標がないため、営業職のようにモチベーションを上げることが難しく、達成感を感じる機会が非常に少ないです。

また、何時間もかけて作成した提案資料が上司の判断で没になることは何度でもあります。そのほか、上司からのお願いでコピーする作業やホッチキス止め作業など地味な作業もたくさんあります。

たとえそのようなことがあっても、不満を言わずにコツコツと地道に作業を続けることができる方でなければ、総務職で働き続けることは厳しいといえます。

③女性同士の会話や雰囲気に溶け込むことができない

男性が比較的に多い総務職へ転職できたのであれば問題になりませんが、企業によっては女性の比率が高い場合もあります。もし、そのような企業の総務職へ男性が転職した場合は、女性同士の会話に入れなかったり、仕事について気軽に相談できなかったりします。

仕事である以上、女性が多い職場でもうまくコミュニケーションを取りながら業務をこなす必要があります。しかし、上記のような場面に直面した際に、性格上気軽に会話できない男性はストレスが溜まってしまうことも考えられます。

30代以降の未経験の男性が総務職へ転職を目指すのは難しい

これまで営業職や技術職といった畑違いの業務経験を積んできた男性の方で、総務職へ転職を考えている方も中にはいるでしょう。

もし、総務職が未経験である場合は年齢を気にしながら転職活動を行わなければいけません。未経験である場合は、なるべく若い年齢(20代や第二新卒)での転職の方が有利となるからです。

例えば、20代の転職者に対して採用する企業側は、業務スキルだけでなく、ある程度将来的な可能性を見据えたポテンシャルを重視する傾向にあります。時間をかけてでも実務経験を積んで、将来的に企業経営の中心的な存在となることを期待するからです。

一方、30代以降の転職者に対して採用する企業側は、将来的な可能性よりも企業経営の即戦力であることを期待します。30代以上の転職者は、新卒社会人として就職してからある程度の社会人経験が見込まれることから、採用する企業側はそれまでの実務経験から生み出される成果に着目するからです。

例えば、以下の求人票は大阪に本社がある中小企業の総務職の求人募集になります。

上記の求人募集は、総務職未経験の方でも応募できる求人募集の一例ですが、20代をターゲットにした求人募集であることが分かります。このような求人募集に対して、30代以降の総務職未経験者が応募したとしても採用される可能性は極めて低いといえます。

実際に求人募集をかける企業のほとんどが上記の求人募集と同じように、未経験者は20代のうちに採用したいと考えています。

中小企業の中には、たとえ総務職未経験者で30歳以上であったとしても応募可能な企業も存在しますが、まだまだ日本の企業では少ないのが現状です。

そのため、30代以降の未経験者が総務職への転職を実現させるのはかなりハードルが高いと考えたほうがよいでしょう。

男性で事務職へ転職を目指すなら総務職がおすすめ

男性の方で事務職への転職を目指すのであれば、総務職への転職がおすすめです。基本的なデスクワークがこなせることが大前提となりますが、女性と比較して体力面で有利な男性が少なからず活躍する場面があります。

また、採用する企業が管理職候補(幹部候補)として採用する場合は、長く働いてくれる可能性が高い男性に期待が寄せられることもあります。

しかしながら、これから総務職へ転職を考えている男性の中には「男性でも総務職へ転職できるのか?」「男性でも総務職の仕事をこなすことはできるのか?」など気になる方は多いです。

そこで、転職エージェントに登録して、転職活動の幅を広げながら転職活動を行うようにしましょう。

総務職は事務職である以上、女性が多い職場であるというイメージを持っている方がたくさんいます。しかし、経営方針によっては総務職に在籍する従業員のほとんどが男性である会社も実際に存在します。

男性だからといって総務職への転職が不利なることはありません。まずは求人募集の内容をよく確認するところから始めてみてください。そして、求人募集を出すそれぞれの会社がどのような人材を求めているのかを見極めるようにしましょう。

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