これまで不動産業界や建設業界の総務で働いてきた人でも、いざ転職となると「資格が必要になるのでは?」「どうすれば失敗せずに転職できるのか?」など、疑問に思う人は多いでしょう。

しかし、このような疑問は転職活動を始める前に解決しておかなければ、転職でミスマッチを起こす原因となります。そのため、不動産会社や建設会社の総務事務の転職事例を事前に確認し、転職するコツを押さえておくことが重要です。

そこでここでは、不動産・建設会社の総務転職の求人事例や適切な志望動機の作り方について解説します。

不動産・建設会社の総務は実務経験重視!転職に資格は必須ではない

不動産・建設業界は住宅や工事を軸にして業務が成り立つため、総務事務の転職でも専門的な知識やスキルが求められます。そのため、転職するのであれば、これまで経験してきた実務経験を活かせる職場へ転職したいと考える人は多いでしょう。

実際に不動産業界であれば宅建(宅地建物取引士)、建設業界であれば建設業経理士やCAD(キャド)に関わる資格試験などがあります。

ただし、これらの資格は不動産・建設会社の総務へ転職するときに必ずしも必要とされるわけではありません。保育士や看護師のように資格が必須の仕事であれば別ですが、不動産・建設業界の総務事務は特に資格がなくてもこなせるからです。

例えば、下記の求人票は愛知県にある不動産会社の人事総務の求人募集になります。

上記求人の不動産会社へ転職した場合、人事・総務・内部監査に関わる幅広い分野を担当することになりますが、特に資格が必須の仕事内容はありません。そのため、人事・総務の実務経験(5年程度)があれば応募の必須要件をクリアし、応募することができます。

このように応募条件を満たす総務の実務経験があれば、採用される可能性は十分にあります。

不動産・建設業界の実務経験者を歓迎する総務の転職求人

ただ、いくら不動産業界や建設業界の専門的な知識があっても、実務経験がなければ即戦力として活躍することは難しいです。そのため、総務の求人募集をかける不動産・建設会社の多くが実務経験者を優先する傾向にあります。

例えば、下記の求人票は徳島県にある建設コンサルタント会社の経理総務の求人募集の一部を抜粋したものになります。

このように上記求人の建設コンサルタント会社へ転職する場合でも、特に建築に関わる専門的な資格は必要なく経理・総務の実務経験があれば応募資格を満たすことになります。

ただ不動産・建設業界の専門性を考慮し、上記求人のように歓迎要件として「同じ業界の実務経験者」とする企業もあります。このような求人では、選考状況によっては不動産・建設業界出身の応募者が有利になることも考えられます。

総務へ転職後に不動産・建設業界の資格取得を求める求人

なお企業の中には採用の条件として将来的な人材育成の観点から、転職後に資格の取得を義務付けている求人も存在します。例えば、下記の求人票は東証一部上場不動産会社の総務の求人募集になります。

上記求人の不動産会社のように、転職後に宅地建物取引士の資格取得を義務付ける企業もあります。このことから、不動産・建設業界に関わる資格を取得することはまったく意味がないわけではありません。

資格を取得することで不動産業界や建設業界に関わる専門的な知識を身につけることができ、事務スキルの向上に必ず役立ちます。ただ、不動産・建設業界の総務への転職時に資格が必ずしも必要ではないことを押さえておきましょう。

そのうえで、求人の応募条件とこれまでの実務経験を照らし合わせて自分のスキルに見合った求人を見つけ出すことが転職成功のカギとなります。

不動産・建設業界の総務の年収は資格手当が加味される

では、不動産・建設業界の総務に転職した場合の年収の相場が気になる人も多いでしょう。

結論から言ってしまうと、大きなお金が動く不動産・建設業界であっても総務は事務職のため昇給率は一般的であり、そこまで年収が高い訳ではありません。

ただ転職する企業の経営規模(大手or中小)や残業状況(残業手当の支給状況)によって、事務職の中では年収が他の業界と比べて高い企業もあります。そのため年収が気になる人は、求人票に転職したときの年収が必ず記載されているため、確認するようにしましょう。

例えば、下記の求人票は東京に本社がある水道コンサルタント(大手建設)会社の総務の求人募集になります。

上記求人の建設コンサルタント会社へ転職した場合、月給は213,000円以上となり、調整手当として通勤手当や超過勤務手当が月給に上乗せされることになります。年収にして350~450万円になりますが、これまで総務の実務経験が豊富で即戦力としての期待値が高くなるほど、年収は高くなります。

なお、不動産・建設業の総務では「宅地建物取引士(宅建)」や「建設業経理士」などの資格を取得していれば、下記のように資格手当が支給される求人もあります。

資格手当として支給される金額は転職する企業によって違いますが、上記求人の不動産会社へ転職した場合、宅建の資格取得者には月2万円の資格手当が支給されます。この場合、資格を持っていなければ、年収にして24万円もの差が出ることになります。

このように、資格取得により総務事務でもさらに年収アップが見込める企業も存在します。また、こうした企業では宅建などの資格はスキルアップを図りつつ仕事の幅を広げるためにも役立ちます。

総務部長や総務課長など管理職の転職求人の年収

また、不動産・建設会社の総務の求人には組織の中の重要な意思決定に関わる総務部長や総務課長など管理職の求人があります。そのような求人であれば責任のある仕事を任されますが、年収は高い傾向にあります。

例えば、下記の求人票は東京に本社がある不動産会社の総務部長の求人募集になります。

上記求人の不動産会社に総務部長として転職した場合、900~1200万円といった高い年収が実現する求人も存在します。ただし、このような求人へ転職する場合、管理職に適した総務の実務スキルとマネジメントスキルが必要です。

また、このような年収が高い管理職の求人数は非常に少ないため、応募資格を満たし転職を実現させる人は限られた人材といえます。

総務の実務経験とマネジメント経験が豊富であり、上昇志向の強い人は上記のような総務の管理職の求人に狙いを絞って転職することで高い年収を実現することができます。

不動産・建設会社の総務事務へ転職するときの志望動機例

ここまで不動産・建設会社の総務の求人例を見ながら転職するときに確認すべき重要な事項について説明してきましたが、転職する過程で履歴書の作成や面接は避けて通ることができません。

特に履歴書や面接で必ず確認される志望動機は最も重要であるため、時間をかけて慎重に作り込む必要があります。そこで、以下3つのポイントを意識して志望動機を作成することで、他の応募者との差別化を図りましょう。

  • なぜ、不動産業界(建設業界)の総務へ転職したいのか?
  • なぜ、この会社を選んだのか?
  • これまでの実務経験をどのように活用したいのか?

上記のポイントを意識しながら、これまで経験してきた実務内容をもとにオリジナルの志望動機を作成するようにしてください。

以下は、中小不動産会社の総務から大手不動産会社の総務へ転職することを想定した志望動機例になります。

これまで少数精鋭体制の中小不動産会社の総務に5年間勤務し、不動産契約に関わる手続きを中心に固定資産の管理や従業員の労務管理など幅広く業務をこなしてきました。

その他にも多くのタスクを管理し、周りの従業員の仕事にも気を配りながら経験を積み上げてきましたが、今後はより専門性の高い総務事務にチャレンジしたいと考えています。

そこで御社が職層ごとの研修に力を入れており、不動産手続きに関わる専門的な知識を習得できるプログラムを実施していることに魅力を感じ、応募しました。

また宅建の資格をすでに取得しているため、将来的には不動産取引実務にも対応できるマルチな人材として活躍したいと思います。

上記の志望動機例のように応募した理由を具体的に述べつつ、これまでの実務経験を活かして転職後はさらに活躍したいことを強くアピールしましょう。

ただし、応募する企業ごとに求める人材スキルや理想の人物像は違うため、上記の志望動機例は参考程度でしかなく、志望動機の内容は応募する企業ごとに変える必要があります。

求人が少ない不動産・建設業界の総務は転職サイトをうまく活用する

不動産業界や建設業界の総務への転職が気になる人は、ここまで述べてきたことを理解した上で転職活動に挑戦することが重要です。そこで時間をかけて自力で不動産・建設会社の総務の求人から自分に見合う求人を探すことは可能ですが、注意点があります。

本格的に転職活動を始める前に認識すべきことは「不動産業界、建設業界の総務の求人が非常に少ない」といった事実があることです。例えば、以下は大手転職サイトで「不動産/総務」を検索したときの結果になります。

このように、大手転職サイトで検索しても日本全国でたった42件しかありません。また、同じ転職サイトで「建設/総務」で検索したときの結果も45件とかなり求人数は少ない現状があります。

そのような状況の中で自分の希望条件に見合う求人を見つけるためには、できる限り多くの求人情報を手に入れながら効率良く転職活動しなければいけません。

そこで、不動産・建設会社の総務へ転職を目指す多くの人が転職サイトをうまく活用しながら転職活動に取り組んでいます。転職サイトを利用することで、履歴書の書き方や採用面接に不安がある場合は信頼できる転職エージェントに遠慮なく相談することができます。

ただ転職サイトの担当者との相性があることや、できる限り多くの求人情報を入手する方が希望どおりの求人が見つかりやすくなることを考慮して、登録は1社に限らず3社以上の転職サイトに登録しましょう。また、担当してくれる転職エージェントには、あなたの希望する条件を包み隠さず相談するようにしてください。

そうすることで、効率良くあなたの希望条件に最も近い求人を見つけ出すことに繋がるのです。

不動産・建設会社の総務の役割を理解し、転職を実現させる

不動産業界や建設業界は特殊な業界のイメージがありますが、総務の仕事内容や役割に大きく変わりはありません。

株主総会の運営や社内規程の管理など、他の業界の総務と同じように幅広い業務に携わり、組織を裏方からサポートする役割を果たします。そのため、これまで総務事務の経験を積み上げてきた人であれば、応募対象となる求人は多いです。

また転職時に資格の取得は必須ではありませんが、専門的な知識を身に付けてスキルアップを図りたい人は宅建などの資格取得を目指すのも良いでしょう。転職後でも資格取得のサポートを受けることができたり、資格手当が支給されたりする会社も存在します。

しかし、不動産業界や建設業界の総務の求人は全体的に少なく、その中から自力で希望条件に見合う求人を見つけることは難しいです。そのため、転職に不安がある人は転職サイトを有効に活用しましょう。

まずはここで解説してきた内容について理解を深め、希望する不動産業界や建設業界の総務で働くイメージを作ってから転職活動に取り組むようにしてください。

事務転職で失敗しない転職サイトの活用法とは

事務転職を考えるとき、多くの人が転職サイトを活用します。ただ事務職は倍率が高く、簡単には転職できません。自力で転職先を探そうとしても、1件1件求人を見極めるには相当の労力を使います。またエントリー書類(履歴書・職務経歴書)の作成や面談対策、転職条件の交渉まで自ら行う必要があります。

しかし転職サイトに登録すれば、カウンセリング実施後にキャリアアドバイザーから転職条件に見合う求人を無料で紹介してもらえます。さらに履歴書や職務経歴書の添削、面談対策、転職条件の交渉まであなたの代わりに行ってくれます。

ただし、「多くの求人を紹介してくれる転職サイト」「カウンセリングに力を入れている転職サイト」「女性の転職支援に力を入れている転職サイト」など、選ぶ転職サイトによって特徴や強みに違いがあります。これらのことを理解した上で転職サイトを活用しなければいけません。

そこで以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの特徴や強みの違いを理解して活用すれば、事務転職の失敗を防ぐことができます。