これから転職を考えている方は、転職で起こりうるミスマッチをできる限り避ける努力をしなければいけません。時間をかけて転職した方の中には「こんなはずではなかった」と転職後に後悔してしまう方がいます。

またせっかく転職するのであれば、キャリアを積み上げることができる職場や総務事務の経験を活かせる求人へ転職したいと思うはずです。ただ失敗したくないという強い思いがある反面、転職活動や実際に入社して実務を経験するまで不安が付きまとうことになります。

そのため、実際に転職活動を始める前に転職による不安がどのようなものか把握することが大切です。そうすることで、その後の転職活動に取り組む姿勢を変えることができ、不安を解消することにも繋がります。

そこでここでは、実際の転職活動の失敗事例・失敗談から、どのように転職での不安を解消すればよいのかについて述べていきます。

総務事務の転職における失敗事例や失敗談

2019年に総務省が発表した労働力調査によると、年間300万人を超える社会人が転職を実現させています。しかしながら、転職者全員が転職したことについて満足しているかというと、現実はそうではありません。

仕事環境を変えたいと望んで転職したにも関わらず、転職先の仕事環境に馴染めずに「転職に失敗した」と後悔する転職者が多くいます。

そのため、転職者が失敗したと嘆く原因が何なのか事前に知っておくことは、今後転職活動を進める上で大いに役立つ知識となります。

実際に転職者が失敗したと感じる主な原因として、以下3つの原因を挙げることができます。

  1. 求人票の仕事内容と実際の仕事内容に乖離(かいり)があった
  2. 転職先の職場の人間関係に問題があった
  3. 社風が合わなかった

上記の原因について、総務事務の転職で起きる失敗事例や失敗談をもとに解説していきます。

求人募集の条件と実際の仕事内容に乖離(かいり)があった

転職後の総務の仕事をある程度重ねていくうちに「求人募集の内容と違う」「思っていた仕事内容ではなかった」と感じてしまう転職者が多くいます。

求人票の仕事内容が総務事務のみであるにも関わらず、企業によっては経理事務の一部を任されたり、残業が非常に多かったりすることがあります。

例えば、下記の求人票は愛知県に本社があるJASDAQ上場企業の人事・総務の求人募集になります。

上記の求人票では、仕事内容が人事・総務関連の業務となっていますが、入社後に求人票に記載されていない業務を任される可能性も想定しなければいけません。

この会社の場合、上場企業で業務内容が広いため、求人票の仕事内容に記載されている「総務業務全般の幅広い仕事」の中に経理、広報、法務、秘書業務などが含まれている可能性があります。

また上記の求人票の場合、残業時間について特に記載がないため、恒常的に残業が発生する可能性もあります。

このほか、先輩職員や知人に勧められた企業に転職するときも注意が必要です。勧められた人からの意見をすべて鵜呑み(うのみ)にしてしまうことで、転職先のことをあまり調べない転職者がいます。

もし、そのような方が転職できたとしても、転職する前に想像した内容と違った時に必ず後悔することになります。

転職先の職場の人間関係に問題があった

たとえ総務へ転職を実現させたとしても、その職場の上司や同僚との相性がよくないために悩んでしまうこともあります。特に総務は企業内外の多くの人と関わりを持つため、人間関係を良好に保つことは非常に重要です。

例えば、人事関連手続きで急ぎの案件があり、稟議書(りんぎしょ)をいち早く回覧しなければいけない場面で総務部長から書類を作り直すように指示されるときがあります。

いくら急ぎの案件であったとしても上司の命令は無視できません。自身がいくら直す必要はないと思ったとしても、上司の命令である以上やり直す必要があります。

しかし、このような場面が積み重なることでストレスが溜まり、最終的には「上司と合わない」と考えてしまう方も中にはいます。

また、社長が出席する会議の準備や株主総会の準備は他の総務の従業員と連携しながら仕事を進めることが不可欠です。準備の進め方や意見の食い違いで人間関係を壊すことがないように、相手の意見を受け入れる心持ちを持つことが重要です。

社風が合わなかった

転職活動のときに応募する企業の求人情報や企業のホームページから社風について調べる方は多いです。しかし社風を理解したつもりでも、実際には転職後に実感する社風と違っていることに気づき、戸惑うことがあります。

目指す方向性や経営方針は企業によって違うため、どのような社風が望ましいとも一概にはいえません。

例えば、私が勤めていた大手企業では上司が指示することは絶対に聞かなければいけない社風があったため、基本的には一般の従業員の意見が取り入れられることはありませんでした。

私はそのような社風を受け入れ切れず、その企業からの転職を決意しました。しかし、実際には上司から指示されて働く方が楽だと思う従業員がいるのも事実です。

社風については、実際に働いてみないと分からないこともありますが、転職前であっても工夫することで知ることができます。

まず企業のホームページに企業理念や社長メッセージは必ずチェックするようにしましょう。企業理念や社長が発信しているメッセージは、企業で働く従業員の取り組むべき姿勢の根本的な考え方として会社に浸透し、社風を作り上げています。

例えば、「創造力は従業員のアイデアから生まれる」と社長がメッセージで発信していたとします。そのような企業では、従業員が積極的に自由にアイデアを出すためにミーティングが比較的に多い職場であることが想定されます。

また面接の逆質問の内容を工夫することで、応募企業の社風をある程度確認することができます。

例えば、「部署を超えたコミュニケーションの取り方で工夫している点はあるか?」と質問すれば、面接官の答えの内容で部署を超えたコミュニケーションが活発であるかどうか知ることができます。

ほかにも「未経験だが、配属された後の仕事の進め方はどのようになっているか?」と質問することで、その企業の教育体制を知ることができます。現場の従業員に聞きながら仕事を進めるのか、まずは業務の基礎知識について研修で学ぶのかは企業によって違います。

このように社風については、いろいろな角度から情報を収集することが大切です。多角的に情報を集めることで、その会社の社風を徐々に理解できるようになるのです。

以上3点の失敗事例について取り上げましたが、このような失敗事例は実際に転職した後に気づくものが多いため、転職前に解決しにくいのも現状です。特に、人間関係の問題は転職前に解決できるものではないため、転職後の人付き合い次第であることを認識しなければいけません。

ここで述べたことをしっかりと頭の中に入れておき、転職による失敗をできる限り回避する努力をしましょう。

総務の転職で失敗しない求人の選び方

転職を考えている大半の方が前職の職場環境に不満を持っています。たとえキャリアアップを目指す転職者であっても、現在の職場のままでは自己実現できない不満があるからこそ転職を決断するのです。

「キャリアアップを実現する環境がない」「実績が評価と結びつかない」「給料が安い」「残業時間が多い」「有給休暇が取れない」など、転職を考える人によって不満の内容は違いますが、転職を実現させて不満を解消したいと誰もが考えているはずです。

そこでここでは、総務の転職で失敗しない求人の選び方について順に解説していきます。

年収だけで転職先を選ぶと失敗する

同じ総務の転職であれば、できるだけ年収の高い企業へ転職したいと思うかもしれません。しかしながら、年収の高さだけで応募する企業を選ぶと転職で失敗する可能性が高くなります。

年収が高い総務の求人票は魅力的に見えることがありますが、年収が高い理由として、実務スキル以外に以下のような理由が考えられます。

  • 従業員数が少なく、業務の負担が大きい
  • 長時間の残業が多い
  • 離職率が高いため、給料を高く設定している

このような理由は求人票に具体的に記載されることがありません。そのため、年収が高い求人票はそれなりの理由があることを認識しなければいけません。

例えば、下記の求人票は東京と群馬県が勤務地となる大手企業の総務の求人募集になります。

上記の求人募集では総務事務の未経験者でも応募が可能であり、年収が500~799万円となっています。上記の企業へ転職した場合、未経験者であっても比較的に高い年収を実現することができますが、注意しなければいけません。

このような求人の場合、年収が高い理由として「残業時間が多い」「休日出勤をしければ仕事がこなせない」「1人で抱える仕事の負担が大きい」など年収が高い理由が必ずあることを認識しましょう。

そのため年収だけで転職先を決めてしまうことは、浅はかな考え方であるといえます。どうしても年収を上げたい場合は、転職エージェントに相談して企業と交渉するようにしましょう。

中小企業やベンチャー企業は従業員数を確認し、失敗を防ぐ

失敗しない転職を実現させるためには、転職先の職場体制を把握することも重要です。

事業規模が大手企業と比べて小さい中小企業やベンチャー企業の場合、総務の従業員が数名または1名だけで担当する企業があります。一般的に総務は企業組織の管理部門として必要最小限の人数しか配置されない部署です。

実際に総務の求人票を見てみると、総務の従業員数が掲載されている企業もあれば、従業員数が掲載されていない求人票もあります。

例えば、下記の求人票は東京に本社がある中小企業の人事・総務の求人募集になります。

上記の求人募集では、人事・総務の従業員数が4名と具体的に記載されています。そのため、応募時点で転職が決まったときの職場の人数を把握することができます。

ただし、上記の求人募集のように具体的に従業員数を掲載している企業は非常に少ないです。

特に総務の配置人数が1名だけの企業である場合は、いくら即戦力としての実力がある人であっても、就任当日からどのような方法で前任から引継ぎを受けるのか確認する必要があります。もし、従業員数が記載されていない場合は面接で総務の従業員数を確認するようにしましょう。

総務の転職による不安を解消する方法

総務は部署を超えた従業員との関わりや取引先業者との連携が欠かせない部署です。そのため、事務職の中で最も職場以外の多くの人と接する部署であるといえます。

総務に配属される多くの従業員が「人間関係がうまくいくか」「早く仕事を覚えられるか」「職場の雰囲気になじめるか」など、実際に仕事を始める前に不安になるケースが非常に多いです。そのため、いち早く職場に溶け込むためにも、これらの不安を少しでも早く取り除く必要があります。

そこで総務の転職による不安を解消するためには、以下のような方法があります。

  1. 名前を早く覚える
  2. 社内のルールを把握する
  3. 分からないことや判断に迷うことは必ず確認する

これらの上記の方法について、以下順に解説していきます。

①名前を早く覚える
これまでも説明してきたとおり、総務は社内・社外の多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めることになります。そのため、名前をいち早く覚えて従業員とコミュニケーションを取るようにしなければいけません。

相手に話しかけたり、質問したりするときには必ず名前を呼んでから話しかけるようにしましょう。

「あのー、企画書について聞きたいことがあるのですが・・・」と質問するよりも、「鈴木さん、企画書について聞きたいことがあるのですが・・・」と質問した方が明らかに印象は良いです。

私自身も名前を早く覚えることは実践していますが、良好な人間関係を築き上げる方法として非常に効果があります。

もし、仕事で分からないことや質問がある場合は相手の名前を呼んでから話しかけることで会話の流れが自然とスムーズになり、人間関係を良好にするきっかけを作ることができます。

②社内の新たなルールをいち早く覚える
社内のルールをいち早く覚えることで、他の従業員と協力しながら仕事を進めることができます。

たとえ総務事務の経験者であったとしても、企業が違えば仕事のこなし方やルールは当然違います。そのため、前職の仕事のルールは通用しないと考え、転職先のルールに従うようにしましょう。

例えば、前職の総務では社長や管理職が出席する会議の準備は担当者だけで対応していたとしても、転職先の総務では当番制で準備することになる可能性もあります。

このとき、前職の総務の経験があるからといって「会議の準備は当番制ではなく、専門の担当者を付けるべきでは?」と、意見を押し通すことはしないようにしましょう。転職して間もない段階で意見を押し通そうとすると、わがままな印象を与えてしまう可能性があります。

そのため、転職直後は覚えることがたくさんありますが、面倒臭がらずに1から勉強する気持ちで新しい職場のルールを覚えるようにしましょう。

③分からないことや判断に迷うことは必ず確認する
総務事務は複数の業務を同時進行でこなすことになるため、転職直後は担当する新しい仕事をたくさん覚えることになります。当然ながら、仕事のこなし方で分からないことや新しいシステム環境でPC操作方法について迷う場面があります。

例えば、これまで総務事務を経験してきたしても転職すれば事務処理のシステムが全く変わってしまうことはよくあります。私も大手企業の総務からベンチャー企業の総務へ転職したとき、事務処理のシステムが全く違うものとなりました。

もし分からないことや判断に迷うことがあれば、自身で考えて解決しようとせずに身近な職場の先輩職員に確認するようにしましょう。先輩職員が忙しそうにしているときは声をかけるタイミングに気を配り、時間を置いてから質問するなど工夫することが大切です。

不安なことは転職サイトに相談する

現職を続けながらの転職活動は体力的な面で負担が大きく、転職活動に注げる時間も限られています。そこで転職エージェントに相談しながら転職活動を進めることで効率良く転職情報を得ながら転職活動に取り組むことができます。

そのため現在では、総務の転職を考えている方のほとんどが無料で利用できる転職エージェントを活用しています。

転職サイトは求人の紹介だけでなく、応募企業の面談の日程調整、年収の交渉、内定辞退、面接対策、履歴書・職務経歴書の作成など転職に関わる面倒な手続きをサポートしてくれます。

もし、総務の転職に対して不安がある場合は積極的に転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントは非公開求人の情報を扱っているため、求人の選択の幅を広げることができます。このときは転職サイトの担当者との相性もあるため、登録は1社に絞らず、3社以上の転職エージェントに登録するとよいです。

また転職サイトのカウンセリングを受けることで、自身のこれまでの実務スキルやキャリアを客観的に把握することができます。

このとき、転職エージェントに対しては「経営者との距離が近いベンチャー企業の総務へ転職して、キャリアを積み上げたい」「土日休みがしっかり取れる企業の総務へ転職したい」など正直に転職したい理由を伝えるようにしましょう。

これらの意見を伝えることで、転職エージェントはあなたがどのような悩みを抱えているのかを具体的に把握することができます。

転職サイトで相談するときは包み隠さずに本音で相談することで、転職の失敗を防ぐことにも繋がります。

失敗を恐れずに思い切って転職に踏み切る

「キャリアアップに挑める環境に転職したい」「年収に不満がある」「残業時間が多い」など人それぞれ転職したい理由は違いますが、転職することで転職前の不安や悩みが解決しなければ転職活動の意味がありません。

転職を希望している誰もが今の現状を変えて、新しい環境の仕事にチャレンジして成長したいと考えます。このような転職後のキャリア形成まで視野に入れて転職活動をする場合、転職エージェントに相談しながら転職活動を進めることが重要です。

たとえ総務に転職できたとしても誰もが不安を抱えます。新しい職場で人間関係がうまくいくのか不安になることもあるでしょう。そのような不安は転職に挑む誰もが経験することであり、1人で悩んでも解決することではありません。

まずはそのことを理解した上で、ここで述べてきたことを参考にしながら求人募集を調べ、自身のできることから取り組んでいきましょう。

事務転職で失敗しない転職サイトの活用法とは

事務転職を考えるとき、多くの人が転職サイトを活用します。ただ事務職は倍率が高く、簡単には転職できません。自力で転職先を探そうとしても、1件1件求人を見極めるには相当の労力を使います。またエントリー書類(履歴書・職務経歴書)の作成や面談対策、転職条件の交渉まで自ら行う必要があります。

しかし転職サイトに登録すれば、カウンセリング実施後にキャリアアドバイザーから転職条件に見合う求人を無料で紹介してもらえます。さらに履歴書や職務経歴書の添削、面談対策、転職条件の交渉まであなたの代わりに行ってくれます。

ただし、「多くの求人を紹介してくれる転職サイト」「カウンセリングに力を入れている転職サイト」「女性の転職支援に力を入れている転職サイト」など、選ぶ転職サイトによって特徴や強みに違いがあります。これらのことを理解した上で転職サイトを活用しなければいけません。

そこで以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの特徴や強みの違いを理解して活用すれば、事務転職の失敗を防ぐことができます。