世の中に不動産業界の事務転職に興味を持っている人はたくさんいます。ただ、不動産業界となると事務職とはいえ専門的な知識やスキルが必要なのか不安になる人は多いでしょう。

また、これまで不動産業界を経験してきた人であっても、いざ転職となると何から始めるべきか迷うこともあります。そのため、不動産企業の事務転職で失敗しない転職活動の方法を事前に確認し、転職で成功するコツを押さえておくことが重要です。

そこでここでは、不動産企業の事務転職で失敗しないためのコツや正しい求人の選び方について解説していきます。

不動産業界のどの分野に転職するかを決める

不動産業界は土地の取得から開発、建物の管理まで幅広く扱う業界であるため、一口に事務の仕事といっても多岐に渡る仕事をこなすことになります。

不動産企業は大きく分類すると、以下4つの分野に分けることができます。まず、転職を考えている企業がどの分野に属するかをあらかじめ理解しておきましょう。

もし、あなたがこれまで不動産業界の事務を経験してきたとしても、どの分野の不動産企業に転職するかは慎重に考えなければいけません。どの分野に属するかで転職後に担当する仕事内容や事務手続きに必要な知識が変わってくるからです。

また、どの分野に転職したいかであなたの志望理由の内容にも大きく影響します。そのため、まずはあなたが転職を考えている不動産企業がどの分野に属するのかを必ず確認するようにしてください。

不動産業界の事務経験者は転職で有利

土地や建物など取引金額が大きく動く不動産業界では、たとえ事務職であっても土地や建物の取引に関わる法律の知識や専門的な事務スキルを求める企業が多いです。そのため、不動産企業の事務転職市場では即戦力の人材を確保しようとする企業が多く、不動産業界の経験者を優遇する求人があります。

例えば、下記の求人票は東京に本社がある不動産企業の一般事務職の求人募集になります。

上記求人の不動産企業へ転職したい場合、不動産実務経験者であれば歓迎要件として優遇されることが分かります。不動産実務経験者が応募の必須要件ではないものの、多くの不動産企業が上記求人のように少しでも即戦力となる人材を確保したいと考えています。

このように、選考状況によっては不動産実務経験者が優先して採用されるケースがあると考えるようにしましょう。

宅建(宅地建物取引士)の資格保有者が有利な不動産事務職の求人

不動産業界に役立つ国家資格として有名な資格に宅建があります。

宅建は土地や建物などの法的な権利関係について、専門的な知識を活用しながらお客さんに対して取引内容を説明できる資格です。そのため、不動産業界の事務転職でも応募企業によっては宅建の資格保有者を求める企業があります。

例えば、下記の求人票は東京に本社がある不動産企業の事務職(宅建事務)の求人募集になります。

上記求人のように、応募資格として宅建の資格保有者であることを必須要件とする不動産企業の事務求人があります。

ただし、宅建の資格保有者を必須要件とする不動産企業の事務求人の割合は少なく、資格がなくても応募できる求人の割合が多いです。例えば、下記の求人票は東京に本社がある不動産企業の事務職(宅建事務)の求人募集になります。

上記求人の企業へ転職したい場合、不動産業界の事務経験があれば応募することができます。

ただ宅建の資格保有者を歓迎要件としているため、宅建の資格が活かせるポジションでの採用であることが分かります。また、このような求人であれば転職後に仕事をしながら資格取得を目指して勉強に取り組むこともできます。

このように不動産企業の事務職でも応募企業によって求められるスキルや経験が違うため、求人内容をしっかりと確認するようにしましょう。

不動産事務の未経験者でも転職は可能

不動産事務へ転職を考えている人の中には、不動産事務未経験者の人もいるでしょう。

これまで不動産事務の経験がない人からすると、たとえ不動産業界に興味があっても「専門的な知識や事務経験がないと転職できないのでは?」と思ってしまうものです。

ただ、中には不動産事務の未経験者でも応募できる求人はあります。例えば、下記の求人票は大阪に本社がある不動産企業の事務職(宅建事務)の求人募集になります。

上記求人の不動産企業のように、不動産事務の未経験者でも応募が可能な求人はあります。

ただし、このような求人であっても不動産業界の経験者や宅建の資格保有者が応募してくることも想定されます。そのような状況であっても応募企業が求める人物像に合致するのであれば、不動産事務未経験者でも採用される可能性はあります。

不動産業界の事務転職で失敗を防ぐために理解すべき3つのこと

いくら不動産業界の事務職へ転職できたとしても、転職後に後悔するようなことは避けなければいけません。たとえ業界や企業の研究不足が原因で転職のミスマッチが生じても、転職先が決定すると後戻りはできないからです。

特に不動産業界は土地や建物など高額な取引に関わるため、他の業界の事務職との働き方の違いや特徴を理解する必要があります。そこでここでは、不動産業界の事務転職で失敗を防ぐために事前に理解すべき3つのことについて解説していきます。

不動産業界は土日勤務の企業が多い

事務職といえば月曜日から金曜日まで働き、土日は休日として過ごすのが一般的です。実際に私が転職前に在籍していた大手企業や転職後に在籍しているベンチャー企業の事務職も共に土日は基本的に休日でした。

しかし、土日休みの一般的な家庭を顧客(お客さん)とする不動産企業の事務職は、土日勤務の会社が非常に多いです。例えば、下記の求人票のように不動産企業の事務職では不定休で働くポジションの採用があります。

上記求人はあくまでも一例であり、このほか「週休2日制(曜日シフト)」や「完全週休2日(火曜・水曜)」など、応募する不動産企業によって勤務形態が違います。

そのため、土日休みの企業で働く家族や友人とプライベートの都合が合わせにくくなることも覚悟した上で転職を決断しなければいけません。

・不動産業界で土日休みの企業は人気がある

ただ中には「不動産事務に興味はあるけど、土日休みの企業へ転職したい」と考えてしまう人もいるでしょう。応募する企業によっては、下記求人票のように土日休みの不動産企業の事務求人もあります。

しかし不動産業界の場合、たとえ事務職であっても土日休みの企業の割合は非常に少ないのが現状です。そのため、土日休みの事務求人に応募が集中することも考えられます。

クレームが多い業界であることを認識する

また不動産業界は高額な取引になる分、サービスに対するお客さんの目が厳しくなります。そのため、土地や物件に対するクレーム対応に追われてしまうことも想定しておかなければいけません。

例えば、管理している賃貸物件の近隣住民同士のトラブル(騒音、異臭、ゴミ問題)や不動産を営業する従業員の対応に関するクレームなど、直接あなたがクレームの原因に関わっていなくても対応に巻き込まれる可能性があります。

私自身もこれまでクレームを何度も受けてきた経験がありますが、クレーム対応はマニュアルがなく非常に難しい仕事です。企業によっては対応した営業マンに電話を回せば済むこともあるかもしれませんが、担当者が不在の場合は電話を取ったあなたが対応しなければいけません。

どのような仕事にもクレームは付きまといますが、特に不動産業界の事務職はクレームに対応しなければいけない場面が多いことを自覚しておくようにしましょう。

不動産業界の繁忙期は1~3月

不動産業界において1年で最も忙しい時期は、1~3月になります。

年度の変わり目となる4月は学生であれば入学や卒業、社会人であれば異動や転勤によって生活拠点を変える人が多いからです。そこで、4月の新生活に備えて1~3月に部屋探しをする人が集中することになります。

この時期、不動産企業の事務職では書類手続きや顧客からの問い合わせに追われることになり、残業しなければいけない日も多くなるでしょう。

一方で、7~8月は部屋探し(引っ越し)をする人が少なくなるため、閑散期で仕事も落ち着く時期になります。

不動産事務職の年収は平均的だが、宅建取得で手当が支給される

なお、不動産企業の事務職へ転職するときの年収が気になる人もいるでしょう。

結論から述べると、取引で大きな金額が動く不動産業界であっても他の業界と同様に、大企業やホワイト企業で年収が高くなる傾向にあります。

そこで年収については求人票に必ず記載されているため、確認するようにしましょう。例えば、下記の求人票は東京に本社がある不動産企業の事務職の求人募集になります。

上記求人の不動産企業へ転職したときの予定年収は、360~450万円になります。採用選考であなたのこれまでの経歴(不動産業界の事務経験など)や事務スキルが評価される程、年収は高くなります。

なお、不動産企業の事務求人の中には宅建の資格保有者に対して下記のように資格手当を支給する求人もあります。

上記求人の不動産企業へ転職した場合、宅建資格保有者に対して月3~5万円の資格手当が支給されることになります。そのため、資格を持っていない人と比べて年収にして36~60万円もの差が出ることになります。

このように、応募する不動産企業の事務求人によっては宅建の資格を持っていることでさらに年収アップが見込める求人もあります。不動産企業の事務転職を考えている人は、エントリ―する企業の待遇についても必ず確認するようにしましょう。

不動産業界の事務転職の志望動機例

ただ、転職を実現させるためには書類選考や採用面接を避けて通ることはできません。特に履歴書や面接のときに応募企業に伝える志望動機の内容を考えることは、採用の選考過程で最も重要です。

そこで、以下3つのポイントを意識しながら志望動機を作成するようにしましょう。

  • なぜ、不動産業界の事務職へ転職したいのか
  • なぜ、その会社を選んだのか
  • これまでの実務経験をどのように活かしたいのか

上記のポイントを意識しながら、あなたのこれまでの実務経験をもとにオリジナルの志望動機を作成しましょう。以下は、不動産企業の事務求人へ応募することを想定した志望動機例になります。

不動産業界では難しいと言われるお客様のリピート率の向上を目指している御社の取り組み姿勢に強く共感し、このたび志望いたしました。

これまで営業スタッフのサポート業務として、不動産売買契約の手続き補助、調査業務を中心とした事務職で4年間勤務してきました。

営業担当者が不在時には自らお客様対応するなど、接客業務から契約書類の手続きまで丁寧に仕事をこなすことを常に意識し、スキルを磨くことに力を入れてきました。

御社の賃貸管理部門の事務職で、これまで積み上げたスキル・知識を活用して仲介業者、入居者、オーナーのつなぎ役として活躍したいと考えております。

上記の志望動機例のように「なぜ、その会社に転職したいのか?」を明確に述べて、その企業に転職したい気持ちを素直に伝えることが大切です。

ただし応募する企業ごとに求められる人物像が違うため、上記の志望動機例はあくまでも参考程度にしか過ぎません。志望動機の内容は応募する企業ごとに変える必要があるため、時間をかけて作成するようにしましょう。

転職サイトを活用して、不動産業界の事務転職を攻略する

ここまで不動産業界の事務転職において注意すべきことや事前に確認しておくべきことについて説明してきました。

ただ、実際には不動産業界の事務職も土日休みの企業が少ないとはいえ人気のある職種です。そのため、応募しても簡単には転職できない現状があります。

また、不動産業界は土地や建物に関わる法律の専門的な知識や事務スキルが求める事務求人も多く、転職で苦戦する人も多くいます。そのような状況の中で自分の希望条件に見合う求人を見つけるためには、できる限り多くの求人情報を手に入れながら効率良く転職活動に取り組む必要があります。

そこで、不動産企業の事務職へ転職を目指す多くの人が転職サイトを活用しながら転職活動を進めています。

転職サイトへ登録すれば、担当のキャリアアドバイザーがあなたの年齢や転職条件を考慮し、最適な事務職の求人を探して提案してくれます。そのほか、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策、内定後の手続きまで幅広くフォローしてくれます。

ただし、キャリアアドバイザーとの相性や転職サイトによって扱う求人の種類が違うため、転職サイトは1 社に絞らず複数社登録することが重要です。

私は過去に4 社の転職サイトに登録して転職活動を行いましたが、全ての転職サイトと相性が良かった訳ではありません。相性の良くなかった2 社の転職サイトは転職活動の途中で手放し、最終的に相性の良かった2 社の転職サイトに絞り込みました。

このように相性の良い転職サイトを絞り込み、うまく活用しながら転職活動に取り組むことで、あなたの転職条件に見合う事務求人との出会いに繋がるのです。

不動産業界の特徴を理解してから事務転職に踏み切る

不動産業界は土地や建物に関わる業界であり、男くさいイメージを持つ人も多いです。

確かに不動産業界の営業職では女性よりも男性の割合が多いですが、事務職となると女性の割合が多くなります。そのため、不動産業界の事務転職を目指す女性は意外と多いです。

ただ不動産企業の事務転職では土地や建物の取引に関わる法律の専門的な知識や事務スキルを求める求人が多く、不動産業界経験者を優遇する求人もあります。特に国家資格の宅建は不動産企業の事務職で活かせる知識を身に付けることができるため、転職で非常に役立つ資格といえます。

また求人の数は少なくなりますが、不動産事務の未経験者でも応募できる求人があるため、年齢が若いうちに不動産業界の事務転職へチャレンジする人もいます。

ただし不動産業界は休日が土日でなかったり、クレームが多かったりする業界です。そのため、不動産業界の特徴を理解した上で転職に踏み切ることが重要です。

もし不動産企業の事務転職を考えているのであれば、まずはあなた自身が「なぜ、不動産業界の事務職へ転職したいのか?」を真剣に考えるところから始めてみましょう。

事務転職で失敗しない転職サイトの活用法とは

事務転職を考えるとき、多くの人が転職サイトを活用します。ただ事務職は倍率が高く、簡単には転職できません。自力で転職先を探そうとしても、1件1件求人を見極めるには相当の労力を使います。またエントリー書類(履歴書・職務経歴書)の作成や面談対策、転職条件の交渉まで自ら行う必要があります。

しかし転職サイトに登録すれば、カウンセリング実施後にキャリアアドバイザーから転職条件に見合う求人を無料で紹介してもらえます。さらに履歴書や職務経歴書の添削、面談対策、転職条件の交渉まであなたの代わりに行ってくれます。

ただし、「多くの求人を紹介してくれる転職サイト」「カウンセリングに力を入れている転職サイト」「女性の転職支援に力を入れている転職サイト」など、選ぶ転職サイトによって特徴や強みに違いがあります。これらのことを理解した上で転職サイトを活用しなければいけません。

そこで以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの特徴や強みの違いを理解して活用すれば、事務転職の失敗を防ぐことができます。